2026年10月スタート!短時間労働者の社会保険料負担を抑える「保険料調整制度」について(2026/10/20)
「手取りが減るから働き控え(就業調整)をしなければならない…」
「短時間労働者(パート・アルバイト)にもっと活躍してほしいけれど、社会保険の壁がある…」
このような悩みを抱える従業員や事業者の方に、お知らせです!
2026年10月1日より、従業員50人以下の事業所を主な対象とした新しい仕組み「保険料調整制度」がスタートします
1. 「保険料調整制度」とはどんな制度?
短時間労働者が新たに社会保険(健康保険・厚生年金保険)へ加入する際、就業調整をすることなく安心して働けるよう、通算3年間にわたって社会保険料の負担を軽減する制度です
制度の大きなポイント
従業員の負担軽減:加入から一定期間、社会保険料の自己負担額が少なくなります
。 将来の年金額は減らない:保険料が軽減されても、将来受け取る年金額には一切影響しません
。 事業主の実質負担は増えない:軽減分は一時的に事業主が負担(立て替え)しますが、一定期間経過後に事業主が納付する保険料から全額控除されます
。
2. どんな事業所・従業員が対象になる?
【対象となる事業所】
原則として従業員50人以下の事業所が対象です
2026年10月1日以降に「任意特定適用事業所」となった事業所
労使の合意によって、任意で短時間労働者を社会保険の加入対象とした事業所が対象となります
。(※2026年9月30日以前に任意特定適用事業所となった事業所は対象外 ) 2027年10月1日以降、順次対象となる事業所(社会保険の適用拡大に伴う対象)
今後の法律改正による社会保険の適用拡大に伴い、企業の規模に応じて段階的に対象となります
。
| 適用開始時期 | 対象となる事業所の従業員数 |
| 2027年10月〜 | 36人〜50人 |
| 2029年10月〜 | 21人〜35人 |
| 2032年10月〜 | 11人〜20人 |
| 2035年10月〜 | 10人以下 |
※ここでいう従業員数とは、フルタイムの被保険者と週の労働時間がフルタイムの3/4以上の従業員の合計数です
【対象となる従業員】
以下の3つの条件すべてに該当する短時間労働者が対象です
条件①:週の所定労働時間が20時間以上(フルタイムの3/4未満)
条件(2):月収が13万円未満(標準報酬月額が12.6万円以下)
条件(3):学生ではない
3. 保険料はどれくらい軽減される?(具体的な計算例)
負担の軽減割合は月収(標準報酬月額)によって細かく定められており、1・2年目と3年目で軽減率が変わります
月収8.8万円(本来の保険料:各12,500円/月)の例
本来の負担額
従業員:12,500円 / 月
事業主:12,500円 / 月
制度利用時(1・2年目)
従業員:6,250円 / 月(50%軽減)
事業主:12,500円 + 一時的負担 6,250円 / 月
★ポイント:事業主が一時的に負担した6,250円は、後日お支払いいただく保険料から全額控除されるため、最終的な負担額は変わりません
。
制度利用時(3年目)
従業員:9,375円 / 月(25%軽減)
4年目以降は通常の負担額(12,500円/月)に戻ります
。
月収に応じた負担割合(従業員 : 事業主)
| 月収(標準報酬月額) | 1・2年目の負担割合 | 3年目の負担割合 |
| 9.3万円未満(8.8万円以下) | 25 : 75 | 37.5 : 62.5 |
| 9.3万〜10.1万円未満(9.8万円) | 30 : 70 | 40 : 60 |
| 10.1万〜10.7万円未満(10.4万円) | 36 : 64 | 43 : 57 |
| 10.7万〜11.4万円未満(11万円) | 41 : 59 | 45.5 : 54.5 |
| 11.4万〜12.2万円未満(11.8万円) | 45 : 55 | 47.5 : 52.5 |
| 12.2万〜13万円未満(12.6万円) | 48 : 52 | 49 : 51 |
留意点:事業所の利用期間は「通算3年間」
事業所が制度利用を開始してから3年間が制度の適用期間となります
4. 事業主にとってのメリットと申請手続き
社会保険の加入を進めることは、従業員だけでなく企業にとっても多くの大きなメリットがあります
企業側のメリット
人材の確保・定着率の向上:手厚い福利厚生で魅力的・長期的に働きやすい職場を作ることができます
。 モチベーションの向上:将来の年金や医療保障が充実することで、安心して業務に取り組めます
。 シフト管理の円滑化:「年収の壁」や時間制限を気にした就業調整が減り、安定したシフトを組みやすくなります
。
申請手続きの流れ
保険料調整制度を利用するには、事業所が対象となった日から2年以内に「保険料調整開始申出書」を提出する必要があります
提出書類:保険料調整開始申出書(日本年金機構ウェブサイトから取得可能)
提出方法:事務センターへの郵送、または管轄の年金事務所へ郵送・窓口持参(※電子申請不可)
【2026年10月1日〜任意特定適用事業所になる場合の手続き】 同意対象者(被保険者等)の2分の1以上の同意を得た上で、「任意特定適用事業所申出書」等を提出します
。(こちらは電子申請も可能です)
